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太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

T宮との交流 Part1

投稿日:2009年6月16日

2009年03月20日『隣の芝生』の続き。

高校時代に知り合ったT宮とは、卒業後もしばらくはつき合いがあったが、いつの間にか会うこともなくなっていた。
(※T宮については、何度か出てきているので、過去の内容を知りたい人は、記事検索で「T宮」と入力して検索してみてもらいたい)
彼とは、直接親しいというよりも、高校時代は同人誌サークルを主催している“K”という女の子を介しての繋がりで、彼女とのつき合いが途絶えてからは、同じように同人活動をしている“Eさん”繋がりだった。
僕はEさんとはそれほど親しいわけではなかったが、ある時、彼女たちが主催する同人誌即売会で行う寸劇にT宮と一緒に出てくれと頼まれた。
そして、アニメのパロディに『必殺仕事人』や『男組』の要素を加味したような劇を作って、数人で演じた。
それがきっかけで(?)、T宮は殺陣や立ち回りなどのアクションに興味を持ち始め、ヒーロー物の着ぐるみショーのバイトをするようになった。
何事にも凝り性なT宮は、アクションの型を覚えてきては、メンバーに指導していた。
…まぁそんな風に、楽しく遊んでいたのだが、僕には家庭のごたごたがあり、当時つき合っていた彼女と別れたり、急に一人で生活していかなければならなくなったり、諸々ある内に道場からも離れて、彼らとも遠ざかってしまった。

そして何年かして、街なかでT宮と偶然バッタリ会った。

20代半ば、まだ北新地で働いていた頃だ。
前に書いた『2つの突き』(※P1~P4あり)の中で書いた喧嘩の時期より後で、水商売から足を洗う少し前だった。

彼との再会、交流は数ヶ月くらいだったか…?
その後僕は先生のところに一時戻るのだが、あるきっかけで急に思い立って水商売をやめてしまったため、生活に窮して、また行けなくなってしまった。
そのことが心苦しくて、その後はずっと先生に連絡を取らなくなってしまうのだが、…まぁ、それはおいて。。

T宮と再会して話をする内、彼がその後中国拳法を習っていると聞いて、話が弾んだ。
この時点でのキャリアは3~4年とのことだった。
僕の記憶に間違いなければ、前に書いた某会に入門して、彼は八極拳と陳家太極拳を中心にやっているとのことだった。
「をー。“男組”に燃えた時代を思い出すなあ!」
どちらも最初に憧れた拳法だっただけに、ちょっとうらやましかった。
それから、改めてゆっくり話したいから家に遊びに来てくれと誘い、何日かして自宅に来てもらった。

彼は僕がやっている武術の内、形意拳と柳生心眼流に興味を持っていた。
まず彼が陳家太極拳と八極拳の型を見せてくれた。
僕は、大体こういうときは、太極拳十四勢、金鷹拳の型を1つ2つ、心眼流の1本目、をやって見せるのだが、形意拳や八卦掌はあまり得意ではないので見せない。
しかし彼が興味を持っていたので、形意拳の五行拳と連環拳をやって見せた。
型を見せ合うのが終わると、T宮は僕の腕を見て、
「形意拳をやり込んでるな。形意拳の勁道に沿って腕の筋が発達している」
というようなことを言った。
僕は的外れなお世辞を言われたように思って苦笑した。
「いやいや、形意拳は得意じゃないよ。それにいつも練習してるのは太極拳と金鷹拳と心眼流や。もっともウチの太極拳は形意拳と八卦掌が合わさってるんやけど…」
するとT宮は真顔のまま、
「そうやろな。だから勁道が形意拳っぽいんや。ただちょっと発達し過ぎや。そんなにガチガチな腕してたら、勁の通りが悪くなる」
つまり発勁のためには邪魔になるというわけだ。
(そういうもんかな…?)
僕は半信半疑だった。
腕の筋が発達しているといえば、子供の頃から剣道をやっていたT宮だって発達している。
それにT宮が所属しているこの某会は、体を鍛えるんじゃなかったのか?
そんな風なことを返すと、
「そうやねん。それに仕事で調理やってたからなおさらでな…。だからオレも今は、腕に力が入らんようにするのに苦労してんねん」
というようなことを言っていた。
某会が鍛えることとの関係については、どう答えていたのかよく憶えていない。
その会も幾つかの拳法をやっているので、少林拳系や南派拳の人が鍛えているのだと答えていたのかも知れない。

ところで、“勁”という概念を用いた技術的な説明は、ウチの流派では、僕は受けていない。
師匠であるT先生の口から“勁”が付く用語が出たことはあっても、便宜上そういう言葉であったり、あるいは、時には知ったかぶりのようなこともあったのかも知れない。
何せT先生もその頃は20代前半と、若かった。
そしてはっきりと、
「ウチには“勁”というものは無い」
と告げられたのは、一時先生のところに戻ったときだった。
それは前述のように、T宮との交流の少しあとだったので、この時点では、
「勁とは何ぞや?」
と、まだあれこれ考えていた。
今では割とポピュラーな術語になっている感があるが、当時はまだまだ謎だらけだった。
ただ、、
前にも書いたが、松田さんが紹介した“勁”と、一般化した“勁”が、同じものかどうかは、わからない。
一般化した“勁”から察せられる、こなれた動きと放鬆(脱力)から生み出される、一種の“瞬発的な力”は、何も中国拳法独特のものではない感じがするのだが、当時の松田さんが紹介していた“勁”は、それだけで説明できないような、
“秘中の秘”
であり、謎の力だった(…と、僕は思っている)。

その謎だらけの“勁”だが、T宮はしきりに口に出してくる。
「なぁT宮。オレんとこの流派では“勁”というような言葉では教えてもらってないねん。お前は発勁教えてもらったんか? その勁道云々のことも、よかったら話せる範囲でいいから説明してくれへんか?」
「うん、ええよ」
T宮はあっさり、承諾してくれた。

<< Part2へ続く >>

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