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太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

マジックの世界

投稿日:2011年7月12日

今回の内容は数年前に某所での日記にも書いたのだが、今後書こうと思っていることとも関連があるので、このブログにも上げておくことにする。
(※但し文章は改めて編集・加筆してある)

2006年11月、硬貨を損傷させた罪でマジシャンや旋盤工らが逮捕されたという事件があった。
その内容はこうだ。
マジック用のコインを作るために本物の硬貨に穴を開けるなどしたとして、警視庁保安課は貨幣損傷等取締法違反容疑で、大阪市のマジックバー経営者、大阪府柏原市の旋盤工ら4人を逮捕した。
---というもの。
タバコがコインを通過する手品や、酒瓶に瓶の口より大きなコインが入る手品など、TVでもよく見かけるネタだが、意外なところでネタバレしてしまった。
一応そのタネを書いておこう。
タバコが硬貨を通過する手品は、硬貨にタバコの太さの穴を開けて、そこにまた別の硬貨で作ったフタをはめ、裏側でフタが開くようになっている。
フタにはバネがついていて、タバコを抜くと自動で閉まるので、硬貨の裏側を見せずに上手くやれば判らないというわけだ。
酒瓶にコインが入る手品は、硬貨が二つに割れていて、断面の両端からゴムで引っ張られて元の形状に戻る仕掛けがしてある。
瓶に入れるときには折り曲げられ、落ちるまでに平らな形状に戻るのだが、一瞬なのでヒトの肉眼では判らないというわけだ。
タネを知ってみれば、
「なぁ~んだ」
の世界なのだが、今のように情報があふれている世の中でもなければ、判らない人には一生判らないだろう。

ちなみにこの逮捕者たちは、数百枚以上の硬貨で仕掛けを作って販売していたそうで、大量の硬貨を損傷させた上、ネットで大っぴらに売ったりしたため、お上に目をつけられてあえなく御用…となったわけだ。
…が、個人的な範囲なら普通は逮捕まではいかないだろう。
例えば僕が中学生の頃にも、「技術」の時間に旋盤(工作機械)で5円玉の穴をハート型に加工して女の子にプレゼントしているヤツなんかが居たけど、そういうのなら、まー、バレなきゃ…ね。。(いや、やっちゃダメだよ)

まーそれはさておき。。
実はコレ、武術の世界にもあることなのだ。

その前にもう少しマジックの話をするが、マジックの世界では、マジックに使われるタネや仕掛けが、マジシャン同士でよく売買されているという話を、ご存知だろうか。
そういった中にはマジックグッズのような小ネタもあれば、名のあるマジシャンが門外不出にしていて教えないようなものまで、様々なレベルのものがあり、仮に“秘中の秘”というレベルのものを教えてもらおうと思ったら(つまり買うには)、ン千万円~ン億円なんてことも珍しくないという。
大がかりなイリュージョンなどは、きっとそうなのだろう。。
また、マジシャンの世界にも師弟関係があって、まず最初は誰かに弟子入りし、基礎を修得して、その後も経験を積んで上達していくわけだが、とっておきのマジックは師弟であってもなかなか教えてもらえないため、自分で考案するか、人と交換し合うか、金を出して買うか…となってくるわけだ。

システム的には武術の世界も大体同じだという気がする。
基礎や基礎レベルのことを競い合っている人にはあまり馴染みのない話かも知れないが、武術の中には、様々な“コツ”というもの以外に“タネや仕掛け”という類のものも含まれている。
指で10円玉を曲げるのも(これも「貨幣損傷~」に抵触してしまいそうだが)、何十枚もの瓦を割るのも、自然石を割るのも、一応のタネはある。
もちろん基礎となることや前提条件となることを満たしていなければ不可能だし、その中にはきちんとした体力や腕前という部分も含まれているとは思うが、中にはそれこそ「なぁ~んだ」もあるようだ。

蛇足ながら、見る人にとって同じ結果をもたらすマジックやトリックでも、考案した人によってやり方が違う場合もある。
例えば、AというマジシャンのネタをBというマジシャンが見て、
「どうやるのか?」
と、自分で謎解きをしたとする。
そしてどうにかやり方を見つけて、自らもそれをネタにしてお客に披露したりするわけだが、その仕掛けがAのネタと完全に同じとは限らない。
そんなわけで幾つものやり方が存在するマジックやトリックもあるわけだ。

どうだろう?
“気”やら“発勁”やら“合気”やら…その他諸々、どこか重なって来ないだろうか?

そしてマジックとは、ほぼすべてにおいてタネも仕掛けもあるものなのだが、それでもベースとなる技術は必要だ。
例えば、
右手に握ったはずのコインが左手に移動していたり、瞬時に元に戻っていたり。
カードなら、目的のカードが一番上や一番下など、何度シャッフルしても必ずその位置に持ってくるようにできるとか。。
それだけでも、本当に上手い人の手技はとても素人の目では追うことができない巧みなものだ。
けれど、何も知らない観客が歓ぶのは、それほどの技術が無くてもできる、どちらかと言えばタネや仕掛けに依存している度合いが高いマジックの方だったりするのかも知れない。

気を練るとか、型を練るとか、どこまでも力を抜くとか…それをやればどうなれるのか、何故そうなれるのか、が、わからないまま時間を費やしてしまっている人は、上記のようなことも冷静に考えてみるといい。

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