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太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

高校デビュー

投稿日:2007年9月28日

僕が通った高校へは、同じ中学から何人かが行ったが、同じ科にはS田というヤツ1人だけが一緒に入った。
S田は中学2年のときに同じクラスで、よく一緒に遊んだ時期もあったのだが、何故か高校では僕を避けるようになった。
元々はひょうきんで面白いヤツだったのに、少しばかりツッパリを装うようになった。
いわゆる“高校デビュー”というヤツ。

少し遡るが、中学時代、僕はモテていた。
2年生の頃から、特に先輩や後輩の女の子にモテるようになった。
新聞部から漫画を描いて出していたので、校内で有名になったのがきっかけだ。
漫画の感想のための投書箱を設置すると、ほとんど毎日、メモ書きながら何通かのファンレターが入っていた。
そして、下校後に何人かの女の子がグループを作って家に遊びに来るようになった。
女の子たちはお小遣いを出し合い、毎回、お菓子をたくさん買ってきてくれた。
僕がチョコレートが好きだと知れ渡ると、いつの間にかマンションのドアの新聞受けにまでチョコレートが投函されていた。
誰だか判らないが、直接遊びに来ない子まで差し入れをくれたらしい。
とにかくそれらを、せっかくだからと思って食べ続けて、虫歯が悪化してしまった。
元々よく遊んでいたカズ、マサ、ヨシの3人は、女の子とお菓子目当てに自分の友達も連れて来始め、僕が苦しんでいるのを後目にお菓子を食べていた。
放課後、下校後の僕の部屋は、おやつの時間。。
ただ、僕自身はこの頃の甘いもの地獄がきっかで、甘いものを段々食べなくなった。

そして、その頃、S田も来ていた。
当時、ひょうきんでみんなをよく笑わせていたY中というヤツと共に、S田はクラスの人気者だった。
ある日たまたまY中がひょっこりウチに遊びに来て、味を占め、S田を誘ってしょっちゅう来るようになった。
だがY中は、3年になって、どこかへ引っ越すことになり、転校してしまった。
Y中は転校後、僕を懐かしんで2度ほど訪ねてきてくれたが、S田はいつの間にか来なくなった。

S田が同じ高校を受けることが判り、受験に行く道々で見かけて声をかけたが、何故かツンとした態度を取られた。
僕は内心カチンときたが、喧嘩をしているようなときではない。
まぁ、受験の緊張からかも知れないと思って、あまり気に留めなかった。
そして入学。
S田は、やはり反応が薄いままだった。
どういうことかと思ったが、まぁ、面倒なので放っておいた。

ちなみに、中学2年のときに一度、僕はS田に腹を立て、ぶん殴ったことがあった。
何が理由だったのか、もう憶えていない。
しかし仲直りをして、その後はY中と一緒に家に遊びに来ていた。
1人で来ることもあったので、今頃それを根に持っているとも考えにくかった。

学校では、さすが偏差値の低いワル学校だけあって、あちこちの中学から集まってきたやんちゃ坊主どもが早速、牽制合戦。
本当かどうかは知らないが、極真空手の黒帯だという者が1人、それ以外の空手の黒帯や茶帯だという者が数人居た。
僕は目立つ方だったので、すぐにイチャモンの標的にされた。
「おい、お前、空手やってたらしいな!」
をいをい。誰から聞いたよ?
って、それを知ってる者は、ここにはS田しか居ないじゃないか。
(あのボケェ…)
と思いつつ、僕はのらりくらりと交わした。
前項でも書いたように、問題を起こすわけにはいかないと思っていたからだ。
しかし、特に極真クンは、執拗に毎日インネンをふっかける態度を取った。
僕は内心焦った。
当時はまだ、『空手バカ一代』の影響で、そのイメージだけで強敵だと思った。
ところが、ほどなく極真クンは姿を消した。
新学期が始まって2週間くらいの内に、喫煙やら喧嘩やらで停学・退学が続出した。
停学処分者の中には、逆ギレして学校を去る者も居たらしい。
極真クンの場合どうだったのかは知らないが、ともかく彼も学校から姿を消した。
ほっとしたのも束の間、相変わらず僕にインネンをふっかけてくる者は、まだ数人残っていた。

その間、僕はどういうわけだか、新学期早々の人気投票で暫定的に学級委員長に選ばれた。
圧倒的支持だった。
良くも悪くも、僕は目立つ。
そういうことも、不良連中の疳に障ったようだ。

…しかし。。

僕は、僕を選んでくれた連中のイメージや期待をすぐに裏切った。
前項でも書いたように、僕は女の子のことで悩んでいて、特に彼女とうまくいかず別れたばかりの時期には、何もかもやる気を失ったりした。
辛うじて高校には入ったものの、気持ちが萎えて、遅刻や欠席を繰り返した。
それでも卒業だけはしなければ…と、ギリギリのところは維持していた。
笑われるだろうが、そのときの僕にとっては大問題だった。
それほどのめってしまったのには、自分の生い立ちや家庭環境からの影響というか、反動が大だったと思う。
小さい頃からいろんなことに耐えて、強い方だったはずなのに、女の子のことでボロボロになってしまった。。

ほどなく僕はクラスで孤立した。

ただ、孤立そのものは、それほど苦でもなかった。
孤独も、クラスでの白い目も、そんなことには小さい頃から慣れっこだったからだ。
それにまぁ、そうは言っても、親しくする者も何人かは居た。

さて、S田だが。
中学2年のときは華奢でチビな印象だったが、高校に入る頃にはいつの間にか僕と変わらない背丈になっていた。
心持ち太って、僕より10kgくらいは重そうだった。
1学期が始まってすぐ、学校から親睦を兼ねたレクリエーションに出かけた。
そこで一悶着あったらしい。
同じクラスに、中学でラグビーをやっていて有名だったというK江というヤツが居た。
体格が良く、喧嘩も強かったらしい。
一方、S中というヤツが居て、S中を中心にいつの間にか、2クラス合わせて7~8人のグループが形成されていた。
S中はK江に劣らないガタイで、中学の頃から知り合いなのか、K江を意識しているようだった。
それで、何かインネンをふっかけてにらみ合いになったらしい。
K江は徒党を組んでいなかったが、S中はショッカーの戦闘員連れ。
その中にS田も居たそうだ。
聞いた噂では、
K江とS中がにらみ合いの末お互いに手を出したが、S中が劣勢でやられそうになったとき、S中の仲間は傍観したままだったが、S田一人が捨て身で割って入ってK江を怯ませたそうだ。
K江は、予期せぬ援軍に面食らって止まったのだろうが、周りから見れば一瞬、S田が貫録でK江を抑え込んだように見えたようだ。
喧嘩はそこで、先生が来てバレそうになったので流れてしまったらしい。
S中は、S田に危ないところを救われた格好になって、仲間共々、S田に一目置くようになった。
「へー。あのS田がねぇ…」
僕は可笑しがりながら、話をしてくれたヤツに言った。
「hideはS田と同じ中学やったんやろ。やっぱりあいつ強かったん?」
「いや、全然!中学でS田が喧嘩したのなんて聞いたことないよ。オレ、S田を殴ったこともあったし…。それにあいつ、ウチによく遊びに来てた癖に急に態度変えやがってさ…」
などと話した。
それでも、S田はすでにS中グループの中で存在感を増していたので、僕の話の方が嘘っぽく捉えられた。

ともかく、S田は、高校になって新たな自分になりたかったのだろう。
たぶんそれで、過去を知る僕とあまり接触したくなかったのだろうし、ハッタリがうまくいって、なおさらだったのだろう。
だが1年の時から僕にちょっかいをかけていたヤツらはこのS中グループの中に居て、S田も無関係とは言えない。
中学のときに仲良くしていた時期もあったのに…と、複雑な思いだった。

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