中国拳法、武術、格闘技など、徒然気ままに…

太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

八卦掌DVD

投稿日:2012年7月30日

たまたまレンタルで見つけた八卦掌のDVDを、昨日見た。

…まぁ、あくまでも個人的な感想なんだけれども、、
いや~ひどかった。。
見るに堪えなくて早送りや飛ばし飛ばしで見ただけだけど、レンタル料の何百円でさえ、返せと言いたくなる内容だった。
出演しているのは中国人で、日本で教えてらっしゃるらしい。
それを習っている人たちも居るわけだから、余所の悪口や他派への否定に繋がるようなことは、あまり露骨に書くべきではないと、基本的には思っているのだけど、感想を正直に書けば結局そういう文章になるしかない。
もしその八卦掌や、似たようなことを習っている人が、僕のブログを読んで気を悪くしたとしても、
「自分たちがやっていることをわからんヤツには好きなように言わせておけ!」
という程度に捉えて、大らかに流していただきたい。
本音を言えば、そういう人たちにも考える材料にしてもらえれば嬉しいのだけれど。。

…で。

DVDに出ている中国人先生は、表演などで見られるような広いスタンスの後ろ足を伸ばした弓歩で、上体は前傾、どちらかの足に体重がかかった際も軸足側に傾いているといった立ち方、姿勢。
もちろん前傾が一概に悪いとは言わないけれど、例えば虚歩のような立ち方、あるいは四分六で後ろ足に体重を乗せたような立ち方などで、軸足側の横方向に体が傾いていたりするのは、フツーはまずいだろう…。
また、上半身に軸のようなものが無い。
まずそういう姿勢的なところで「あらっ!?」とずっこけてしまいそうな気になる。
若い頃には体育的な中国武術をある程度はしっかりやって来られたのだろうけど、中年以降はあまりやっていないのでは?…といった感じ。。

そして用法なども、
「こんなことが出来たらいいな♪」
…式の、立ち回り(殺陣)のような内容。
その先生はさも簡単そうに得意げで、相手は簡単に崩れて飛ばされたりしている。
解説なのだから、お約束通りに一本、突いたり打ったりしていくのはいいとして、それでも現実、咄嗟にそういう動きをするのは不可能だろうということばかり。
まぁ、この人に限らず、多くの中国武術の本や映像で解説している初歩的な用法は大体そうなのだけれど…。

ところで、そういった用法の中で、前腕部または腕全体を相手の体に当てて、崩したりハネ飛ばしたりする技がよく紹介されているのだけど、これらについて何か疑問を持ったことは無いだろうか?
例えば太極拳で言えば、斜飛勢や野馬分ソウなどだ。
用法説明上は安全のために、投げに応用して転がしたり、ハネ飛ばしたりしているわけだが、ではもっと威力のある技として使うために、実際にはどう使うべきということを、考えたことがあるだろうか?
あるいは、教えてもらっているだろうか…?
今まで散々「中国武術は妄想」だの何だの言われているのに、動画サイトなどの映像を見ても使えそうな用法解説などほとんど見たことがないのは、少なくとも嬉しそうに映像をアップしている人たちは、それらを知らず、考えたこともないのではないだろうか…?
そして、この例に限らず、他の様々な技についても、同じことが言える。
今回の八卦掌DVDにもあったが、相手の攻撃を交わして自分が攻撃する際、防御動作を行ってからピョンと飛ぶように左右の足を入れ替えて、その勢いで相手をハネ飛ばす用法など、これもよく見るっちゃあよく見る動き。
しかし…幾ら「一連の動作」でも、そりゃ無いだろう。。

まー、中国武術は秘密が多い世界だから、こういうのしか見せられないと言われればそれまでなのだけれど、
「それにしたってどうよ!?」
と言いたくなる。

そう言えば、某研究家さんが師事した流派の先生たちが出していたビデオも見たことがあるのだが、それにもちょっとがっかりさせられた記憶がある。
某研究家さんは、当初の本では、
「今の中国武術は体操化してしまっている」
と嘆くようなことを書いていたと思うのだけど、映像化された師匠たちの立ち方や姿勢や動きなどを見てみると、表演武術と呼ばれているものとあまり差が無かった。
そして、師匠の一人は、映像の中ではまだ50歳にもなっていない感じだったのに、足腰が弱っているようで、強靱な足腰を必要とされるはずの某拳法をふらついた動きで日本人に指導していた。
僕は昔、
「一体どうすればこの人たちに習うことができるんだろう?」
なんて思ったものだったが、映像を見て、
「あー習わなくて良かった!」
と、つくづく思った。
僕が今の流派に入門した当時、直接の師匠であったT先生や、S先生は、まだ22~23歳と若く、今から思えば大したことは無かったのだろうと思うが、それでも、それなりの年数はこなしていて、支部を持たされるくらい熱心にやっていたわけだし、型はとても上手だった印象がある。
そして、僕らは、届きそうで届かない師匠たちを、少し後から追いかけるように習うことが出来て、それはそれで良かったと思っている。
師匠たちがその映像の中の人たちを、たぶん追い越した年齢になって、比べてみると、きっと他の人が見てもウチの方が真っ当な動きに見えると思うのだけど。。
(まーそれは手前味噌と言われてしまうかも知れないが…)

最近、特に思うのだけど、僕は、もし、ちょっとでも、
「強くなりたい!」
という気持ちで中国拳法を始めようと思う人が居たら、
「やめときなよ」
と言ってやりたい。
まともなところを探すのが難しいと思うからだ。
個人的には、偏見かも知れないが、“教室”という体裁だったり、チケット制だったり、講習会なんかを開いて人を募っているようなところは、そんなところで習っても余所(他の武術・武道、格闘技など)より強くなれるなんてことは、まず無いと、思ってしまうのだが。。

何せこういった映像と同じようなことやってるわけだしね…。。

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