中国拳法、武術、格闘技など、徒然気ままに…

太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

松田さんの本

投稿日:2007年1月4日

松田隆智さんの『太極拳入門』(サンポウブックス)を探しているのだけど、見つからない。
住まいのどこかにあるはずなのだが。。
もしかすると今の部屋に引っ越して来るときに紛失したのかも知れない。
人に貸して戻って来なくなったものもあるけど、これは大事に置いておいたはずだったんだけどなぁ…。う~ん…。
ともかく今、手元に無い。
遠い記憶の限りで書くけど、ご容赦を。

当時の疑問。

上記の『太極拳入門』もそうだけど、松田さんの本が出るたび買いあさり読みふけったものだった。
この頃から漫画『拳児』に影響された世代あたりまでで中国武術にハマッた人たちは、みんなそうだったのではないだろうか?
もちろん松田さん以外からの解説本も出ていたけど、「丹田」「気」「勁」の概念が新鮮で衝撃的で、「柔よく剛を制す」が廃れて来ていた時代、改めて夢を与えてくれたことが大きかった。
丹田や気については日本武術にもあったようだが、空手では扱っていなかったし(少なくともそう思っていたし)、当時の僕にとってはまったくの知識外。

「そんなことができるのか?中国人ってすげー!」

ただただそういう思いだ。
…とは言うものの、やはり疑問も拭えない。
松田さんの解説は、まぁ概要としては解るのだが、実際の技術としては秘密のベールに包まれたままだ。
実際の技術として想像しようもない。
例えば発勁を、
「気をめぐらせて呼吸と一致させ爆発的に勁を発することだ」
と言われれば、そりゃそうだが、具体的にどうすればいいのか解らないではないか。
(こんな風な説明だったかどうかよく憶えていないけれど…)

もっと解らないのが、空手や、他の格闘技との違いだ。
松田さんの写真を見る限り、弓歩は空手の前屈立ちと変わらないと思えたし、他の立ち方だってそう思えた。
発勁の基礎を説明する写真にしても、やや後ろに重心を持っていき、息を一気に吐きながら前方に重心を移して突きを出す、というのが、空手の逆突きの変形みたいにしか見えないし、それよりも動きが大きい分、幾ら基本だと言っても、あまりにも実用的で無さそうに見える。

結局、思ったことは、
「松田さんはあれだけ色々なものを学んでいるから、必ずしも上手くないのかも知れない。でも書いていることはすごいから、きっとそういうものもあるんだろう」
ということだった。
信じたい気持ちや知りたい欲求の方が、疑問よりも大きかった。

陳家太極拳の型(套路)は、大架式・中架式・小架式などの区分があり、本で紹介しているのは大架式だという。
中・小と進むと、実用的な高い姿勢で、巧妙な体の使い方になるらしい。
それは一体どんな型なのだろう!?
さらに、秘伝に相当するものとして、虎背やら鶏足やら熊傍やら…の口訣(口伝)があったり、小天星という打撃訣(?)のようなものがあったり…。
これらは一体何なのか…!?
集約すれば、

それを習えば、自分も違う人間に変われるのだろうか!?

---ということが、もっとも強烈な想いだった。
子供の頃に少しくらい喧嘩が強くても、空手をかじっても、大きな自信には繋がらなかったし、名人・達人や格闘家ほどでなくとも、そんじょうそこらの者には簡単に負けないという絶対の自信が欲しかった。

なのに。。

松田さんの本には、じらすだけじらしておいて、肝心なことは何も書かれていない。
型の用法解説なんて、殺陣としては面白そうだけど現実には使えそうにないものの方が多いように思えるし、他の格闘技と比べて太極拳や中国武術の優位性を示すようなことが何一つ感じられない。
心のよりどころは「気」や「発勁」や「秘伝」の部分だけだ。
そこは公開できないというのだから、僕らはどうすればいいのだ!?

まあいい。…そこは譲ろう。
「気」も「発勁」も「秘伝」も、そんな高望みはしない。
ただ、普通に空手や柔道の道場に行っても習えるような範囲でいいから、もうちょっと格闘技術として成り立つ技を公開してよ!
それがせめてもの思いだった。
こんなことを言うと、昔出会った何人かの武術オタクは、
「そうかい?結構あぶない技を公開してると思うよ。〇〇で紹介してた△△なんて、あれはすごいと思うけど。あんなん出して良かったんかな…」
なんてセリフを吐いたりした。
で、そういう知ったようなことを言うのに限って、口ほど体は動かない人の方が多かった。

何だか松田さんの悪口みたいなノリになってしまった…。
しかしまぁ、夢から覚めたような気になって一方的に非難したいわけではない。
やっぱり松田さんの影響を受けなければ中国拳法に興味を持つことは無かったし、その後の人との出会いも無かった。
『拳児』の元になっている『謎の拳法を求めて』なんて、興奮して何度も読み返したものだった。
僕が松田さんから気持ちが離れたのは、その後、型の本ばかりで辟易してきたことや、武術雑誌にもてはやされてエラくなってしまったように感じられたことや、段々と宇宙だの思想だのの方向に走ってオカルト色が強まって来たことが主な理由だ。
ついでに言えば、『拳児』に影響された人は多いので何だけど、僕的にはあれは面白くなかったし、単純に漫画としての評価も低い。
松田さんには松田さんの考えがあるのだろうけど、師との約束や門規があるにしても、あれだけメディアに出ているのだったら、自らも少しは人前でやって見せてくれればいいのに…と思ってしまう。
合気道の塩田剛三さんなんか、どれだけ映像が残っているか。。
逆に、大東流の佐川幸義さんは、メディア嫌いでほとんど写真もフィルムも残っていないそうだけど、徹底して出なかったのだから、それはそれでいいと思う。
今の世の中で、せっかくの技が後世に映像として残らないのはもったいないけど。。

ただ、誤解の無いようにしておきたいのだけど、僕は松田さんが学んだものを否定しているのではない。
それにここで述べたことは、不満ではあっても非難では無い。
まぁ…かつてのファンのぼやきといったところか。。

あと、この流れで、
「型(套路)の演武が上達することで強くなれる」
という考えが、今も根強くある。
果たしてこれはどうか…?

以上、述べてきた当時の疑問それぞれについては、また改めて。。

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