中国拳法、武術、格闘技など、徒然気ままに…

太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

2対1 Part 2

投稿日:2007年10月5日

ちょっと話は逸れるが、高校3年のときの体力測定で、背筋を計ったときのこと。
大方の者は100~130kg台あたりではなかったろうか。
非力で100kgを切る者も居た。
このとき、最も体が大きいS口とK内という2人が注目されていたのだが、S口は体に応じてそこそこの数字だったと思うが、見かけほど力が無かったため、周りからは、
「おや、S口でもそんなもんか?」
というような反応が漏れていた。
ところがK内はいきなり170kgを出し、2クラス中でダントツ。
「おお~っ!!」
という感嘆の声が上がった。
そして、並んでいた何人かのあと僕の番が回ってきて、僕は168kg出した。
「すげー!K内と2kgしか違わへん!!」
という声が湧き上がった。
自分でも驚いた。まさかそんなに出るとは。。
僕をなめていた何人かも、驚きの顔や呆気にとられた顔。
おそらくN浦とK戸も同様だったろう。

ちなみにK内も、S中グループの一人だった。
K内は剣道二段で、最初は真面目そうだったが、少しずつ顔つきが変わっていった。
ある意味K内も高校デビューだったのかも知れないが、身長が180cmほどあって、細い切れ長の目で、普通にしていても十分いかつい。
N浦やK戸を中心にS中グループの者が僕を嫌うようになって、K内も僕とほとんど口をきかなくなった。

気分転換にガクランを変えた頃から、僕はことさら猫をかぶるのをやめにした。
まぁ、高校生活、それまでも別に猫をかぶっていたつもりはなかったが、少なくともN浦やK戸のようなヤツらにカラまれてものらりくらりと交わしていて、ヘタレ扱いされていたことは事実だろう。
そして3年になって、もう高校生活も残り少なくなってきたかと思うと、何の楽しい思い出も無かったことが悔やまれて、もっとありのままの自分を出して、学校の連中とも少しは積極的に付き合おうと思うようになった。

よく話すようになった中にH山というヤツが居た。
H山は日本拳法部に入っていた。
当時、空手部は無くて、徒手の武道としては日拳部だけがあった。
それをめずらしく思いつつも、ともかく空手がやりたかったので僕は日拳部には入らなかった。
でも格闘技として興味はあったので、放課後、練習しているのをしばらく眺めたりして、H山のこともよく見かけていた。
H山は、背は高くなく165cmくらいで、顔が大きくて浅黒く、見かけはいかついのだが、話してみると温厚で、どちらかというとオトメチックなくらい優しいヤツだった。
元はたぶん空手か何かをやっていたと思うが、日拳部は1年からずっと続けていて、3年では確か主将か副主将になっていて、
「よかったら部に遊びに来いよ」
と、よく誘ってくれた。
そして2人とも、3年になった頃から休み時間の蹴鞠にもよく参加するようになって、返しにくいところに飛んできたボールを僕らが飛び回し蹴りや後ろ回し蹴り、地面すれすれの蹴りなどで器用に返したりすると、
「おお!」
という声が上がったりした。
もちろんそういう芸当ができるのは2人だけではなく他にも何人か居たけれど、新参の僕らがやるのは目新しく映ったのだろう。
また、僕が空手をやっていたことは1年の頃から少しは知れていたし、運動神経が悪くないことは体育のときにも判っていたことだが、空手らしき動きを人前でしたことはあまり無かったので、この頃から周りの印象も幾らか変わった気がする。
それからH山は、後の話になるが、卒業後、演劇に興味を持って、そういった創作・表現をするような集団に入り、マイナーながら商業ベースの映画にもちょい役で出たりした。
日拳も続けていて、卒業後も何度か会って、武道の話をしたりした。
そして、このあとS中グループと対立し喧嘩になったとき、H山がそばでフォローしてくれることになるのだが、もしH山が居なかったら、場合によってはまた袋叩きに遭うことになったかも知れなかった。

さて。。
登場人物の紹介も大体終わったところで、いい加減本題に入ろう。

実は時期をよく憶えていないのだが、2学期だったように記憶している。
少なくとも、夏服の頃だったから、1学期の終わりか2学期の始めには違いない。
とにかくそのとき、僕は例の彼女と別れてしまったばかりだった。
何が原因だったかよく憶えていない。
というか、毎回わからなかったし、ある日突然ぷいっと無視し始めるような態度になって、僕も腹を立て、結局会わなくなるようなことばかりだったから、今となってはいちいち憶えていない。
そして、実際にはあとでよりを戻してまだ少し続くのだが、そのときは今度こそ決定的にお別れだと思っていた。
そんなある日のこと…。
朝から体調が悪く、昼から早退することにした。
いや、少し熱っぽいものの帰らなければならないほどでは無かったのだが、気持ちが萎えて、学校に居ること自体が苦痛だった。
そしてカバンを持って、校舎から校門に向かって屋根付き廊下を歩いているとき、またN浦とK戸が僕を見つけて寄ってきた。
たぶん、見つけたのは僕の方が先だったろう。
(あのバカども…。来なけりゃいいのに…)
と思ったが、不機嫌なのかにやけているのかわからないようなツラで足早にやって来て、僕の後ろを付いてきながら、毎度のパターン。。
「おい、帰るんか?」
僕は面倒に思いつつ振り返って、
「おう。ちょっと体調悪いんでな。風邪かもな」
すると2人は、
「お前でもそんなんあるんか。でも風邪やないやろ。ナントカは風邪ひかん言うしな」
「帰ったりしてええんか?日数やばいやろ。卒業できんようになるんちゃうんか?」
というようなことを言った。
「…お前らに関係ないやんけ」
そう言うと僕は前を向いて歩き続けた。
しかし2人はそのあとも付いて来ながら何やらねちねち繰り返した。
僕は段々イライラしてきて、
「うるさいなぁ」
と、つぶやいた。
するとK戸が即座に反応した。
「なにィ!」
N浦も続いて、
「おい、今なんて言うた?」
そして2人はまたにやけながら、口々に、
「オレらの聞き違いか?」
「そやな。こいつがそんなことよう言わんわな」
僕は再び振り返って、
「お前らええ加減にせいや。毎度毎度うるさいんや!」
と、はっきり口にした。
2人は怒気を露わにややどもりながら、
「おう、よ、よう言うたな!」
「ど、どうなるか判ってるんやろな!」
僕は、結局こうなってしまった…と思いながら、もうどうでもよくなった。
「なんや。仲間頼んで大勢で来るってか?」
「アホ。お前なんかオレらだけで十分じゃ!」
「それでも2人やんけ。どっちか1人だけでやる度胸あんのか?」
「おお、やったるわ!」
「こいつから度胸なんて出るとはな」
…というようなやりとり。
僕は面倒臭いと思いつつ、
「んなら明日にでもケリ着けようぜ。今日は帰るからよ」
と返した。
2人は、
「そう言いながら逃げんなよ!」
「逃げたら学校出て来れんようになるぞ!」
「まぁ、それはそれでオモロイわな」
などと言いながらあざけり笑った。
僕はそれを後目に校門を出た。

それにしても、今日は帰ると言うのをよく2人はあっさり承諾したものだ。
少なくともこの場では僕が主導権を取っていることに2人は気づいていない。
2人にしてみれば、この場でやり合うより、日を改めた方が仲間を呼んで確実にやれるという意識が働いたのだろう。
僕は僕で、今2人を相手にしても何とかなる自信はあったが、その方が後々面倒なことになるような気がした。

帰る道々、グループ相手にどうしようか頭の中で色々シミュレーションしたが、いつの間にか別れた彼女のことばかり考えてしまい、面倒になってデコボココンビのことは忘れてしまった。
そして僕は落ち込んだ気持ちのまま帰ってから熱を出して、3~4日学校を休んでしまった。

次回、決着。

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