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太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

2つの突き Part 1

投稿日:2008年5月13日

前項の時期より少し遡る、まだ北新地で働いていた頃のこと。。

色々事情があって水商売の世界に入ったわけだけど、夢や思いはままならず、酒の味も覚えて、半ば自棄な毎日を送っていた。
…というか、若いときにありがちだが、どこか妙な自信を持っていた。
まだまだ先があって、人生どうにでもなると思っていた。
だから焦りが足りなかったのかも知れない。。

実際、僕は恵まれていた方だろうと思う。
本当に困ったときには何かしらの助け船が向こうから現れたりした。
若いときには、とある小さな芸能事務所の社長や、東映の人に、
「芸能界に入らないか?」
と声をかけられたり、
何か商売をやっている人や中小企業の社長などから気に入られて、
「ウチで働かないか?」
と誘われたりした。
前項で書いたように、水商売に嫌気がさして、何をやっていいかわからず日雇い労働をした時期もあったが、その後は一応名の通った企業に就職できたりもした。
ついでに言えば、その会社に居る間にパソコン操作を覚えて(まだMS-DOSの頃)、それが後々の役にも立っている。

僕は、気難しい方だし、理屈っぽいし、ことさら明るい性格でもないのだが、根はどこか楽観的でポジティブな方だ。
それは、小さい頃から、目立つところがあって、僕のことを鼻につくと思って嫌う者も居た反面、好かれる人からはものすごく好かれて、味方になってもらえるところがあって、本当に孤独にならずに済んだからだろう。。
似たような境遇の者には、もっと暗く卑屈になっている者も少なくない。

ただ、そういう目立つところがあったがために(?)、やはり小さい頃同様、大人になってからも喧嘩をふっかけられることがままあった。
まー、はっきり物を言ってしまうところや、一旦へそを曲げたら退かないところがあるのも一因かも知れないケド。。(^_^;)

成長し、大人しくなるにつれて、僕は優男に見られるようになった。
見た目の印象や先入観で鈍臭そうに思われたりして、そんな風に見る者からは、なめた態度を取られることが多かった。
前に書いた、高校時代の喧嘩もそうだろう。
けれど、そういう目で僕に喧嘩を売ってくるのは中途半端なヤツばかりだったので、まずことごとく思い知らせてやった。
勝てると思って喧嘩をふっかけてくること自体、弱い相手を一方的になぶって憂さ晴らししようという見下げ果てた考えが根底にあるからだ。
けれど僕は、どんな相手のこともなめてはいない。
何が起こるかわからないし、絶対に勝てる保証などどこにもないと思っている。
だから自分から喧嘩を売ったりしない。
…ただ、
僕も虫の居所が悪いときはある。
自分からはなくても、ふっかけられたら、時には相手を挑発して返したりもした。
北新地時代にもそういうことが度々あった。
…まぁ…僕も若かった。。

念のため言っておくけれど、
大人の世界では、その場での殴り合いには勝っても、勝ちとは限らない。
そういう意味で逆に思い知らされたこともある。
でもまぁ…それは別の話なので、また改めて書こう。

…で。
今回は“2つの突き”ということなのだけれど、北新地で働いていた20代前半のほぼ同じ時期に2度、喧嘩で相手を一発で倒すという経験をして、改めて考えるようになった。
その前に、
「そもそも“突き”とは何か?」
ということについて、それまで思っていたことを書いてみる。

まず、突きは、槍で突く動作から来ていると言われている。
空手や少林拳で用いられる横拳にしろ、形意拳にあるような縦拳にしろ、槍を持っている格好の変形と見られなくもない。
突き技があるすべての武術・流派でそうなのかどうかはわからない。
違和感のある人は“そういう説もある”程度に捉えてもらえればいいだろう。
ただ、そう考えれば「突き」という呼称も解るし、
「突き刺すように突け」
「相手の背中側まで貫くように突け」
などと言われるのも納得だ。
しかし一方で、
「弾けるように突け」
「爆発するように突け」
「伸びやかに突け」
「ドスンと突け」
などなど、様々な言われ方もある。
別にどれも間違っていないとは思うが、僕は、元々の意味を考えれば、
「突きは槍のようにまさしく真っ直ぐ突くもので、それ以外は“パンチ”だ」
と、勝手に思っていた。
もちろん、このように突きを考えた場合も、最初から腕を棒のように真っ直ぐにした状態で当てるのは不自然なので、インパクトの瞬間、
「腕をほぼ真っ直ぐにして突く」
あるいは
「腕の筋肉を絞め関節を固定して、突くように当てる」
と、定義していた。
ただ、それにしても、中国武術で言われるような、威力が人体内部に浸透する突きというのは、どうすればできるのか、わからなかった。

21~22歳の頃、北新地で初めて勤めた店は、“ラウンジ”と呼ばれるやや値の張る店で、当時その界隈でまあまあ名の通った店だった。
社会的地位のある人や、著名人や芸能人も来ていた。
その頃、相撲の大阪場所が行われる時期、某親方が来ていて、若手を何人か引き連れていて、たまたまお声がかかって相撲取りの一人の腹を叩かせてもらったことがある。
僕はボーイ(ウエイター)で雇われていて、別に武道経験があるからとかいうことではなく、親方がママや女の子と話しているときに僕を見て、
「おい、きみ。相撲取りの体がどんなか見せてやる。叩いてみろ」
というようなことになった。
はっきり言って、まったく歯が立たなかった。
2~3度叩かせてもらって、1発目は遠慮したが、
「いいから思いっきりやれよ」
と言われて、力一杯突いた。
…まるで柱。
それに脂肪と筋肉のクッションが巻かれている感じ。
大きな芯が通っているようにビクともしない。
「こんな人間に効くような突きってあるものだろうか…?」
と、気が遠くなる思いがした。
もちろん、相手は打撃に備えて腹筋を固めているし、実戦でわざわざそんなところを叩くわけではない。
けれど当時の、中国武術関連の書籍などでは、
「中国拳法の打撃は、鍛えられた筋肉の上からでも浸透する」
というように書かれていたし、それに惹かれて始めたわけだが、3年以上やっていてもそんな打ち方はわからず、このような有り様だった。。
それでも、親方から、
「きみ、何かやってるのか?」
と聞かれて、空手や中国拳法のことを話すと、
「なるほどな。普通は反動で手を痛めたりするのに平気そうにしてるからな」
と、一応は誉め言葉のようなことを言われた。
つーか、…ということは、僕が痛がったら、女の子たちと面白がるつもりだったわけか。。
そういうリアクションができない点はノリが悪かったか…(苦笑)
しかし、僕は内心ただただ情けない思い。。

当時の僕は、結局、発勁とやらか、それに相当する技術を教われなければ、このまま続けても今の突きをもうちょっと上手くなる程度なんだろうなぁ…と思った。
もしそういう上級技術(?)を学べないとしたら、他の武術や格闘技より優位な面はあるのだろうか?…と、ちょっと限界のようなものを感じ始めていた。

今回書く2度の喧嘩は、これより2~3年後…。

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