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太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

初めての気づき

投稿日:2007年3月27日

武術を続けていると、時々「あっ!」と閃いて、今までわからなかったことに気づくことがある。
すると、それまでできなかったことが急にできるようになったりする。
近頃の流行りで言えば「アハ体験」か…。。
まぁ、武術に限らないだろうけど、何かを継続していて、そのことばかり考えていると、あるとき神サマがちょっとだけヒントをくれるような…そんな感じかな。。(へ_へ;)

入門してから最初の一年くらいは、型の習得が主になっていた。
太極拳九十九勢を即席で習得したものの、それは単に“憶えた”というだけで、使えるのにはほど遠い。
当時は、まず型が上手くなった上で次のステップがあるというような感じだったので、姿勢や構えを修正してもらったり、初歩的な用法を教えてもらったりして、あっという間に1年以上が過ぎた。
他の武術の型も習い、同様の練習が続いた。

もちろん推手や組手などもやった。
まったく使えないままでは本末転倒というわけで、基本的な技や、型の中にある比較的使いでのある用法を組手練習したりした。
例えば相手の突きに対して、一歩退いて形意拳の劈のように振り下ろして打つとか、相手の右拳を自分の右横に払ってすれ違い抜けざまに腹を叩くといったような技。
当然ながらアブナイところは外して、顔の代わりに肩、腹は鳩尾を外して叩く。
最初は、思い切り打ってもなかなか効かないものだ。
まず、動きになれていないため余計なところに力が入ってスムーズに力が通らないし、約束組手なので、相手は来ることが判っていて打撃に備えられる。
まー、そんなわけで、バシバシ叩き合っていた。
組んだ相手が、効いた感じで「ウッ」となったら、
「大丈夫ですか?」
と言いつつ、内心にんまり。
ちょっとした変態倶楽部だ。

1人のときは、自分の太股や、枕やクッションを叩いて感触を確かめた。
いつも先生から言われるように、力を抜いた方が衝撃が大きいことは解っていたが、動きながらどうやるかをイメージし試行錯誤していた。
そしてあるときふと気づいた。

「おや?」

…肘だ。
肘から先の力を抜いて、手のひらは打つときの最低限の状態を作り、肘をくいっと軽く下げるようにすれば、肘から先が加速するような感じになる。
前に向かって打つ場合も、打つ方向に向かって肘をくいっと軽く入れると同じような効果がある。
「そうか。これって…」
要は金槌を振るときと同じ。柄の端を持って軽く振るときの要領で肘を使えばいい。
当たり前のことだ。力のモーメントだ。
「待てよ…。ということは…」
同様に肩も使えばいいんじゃないのか。。
「おおおっ」
閃きが確信に変わって、体の使い方が一つ解った気になってきた。
「待て待て待て。ということは、もしや…!」
肩や肘と言えば“沈肩墜肘”じゃないか。
「沈肩墜肘ってこういうことだったのか!」
と思った。
単に姿勢要領というだけでなく、体の使い方をも指し示している…!?
少なくともこのときの僕はそう感じた。
そして、型の上でもこれを意識して体の使い方を表現するべきじゃないかと思い、力を抜いて、そのようにやり始めた。
初めて自分から意識して型が変わり始めた瞬間だった。

考えてみれば、野球の投球フォームだって同じじゃないか。
ただ、格闘技術として、あんな風に振りかぶって大きい動作でやるわけにはいかない。
小さくまとまった動きで、大きな効果を出さなければ…。

「そうか。そのための訓練が“型”なんだな」

---と思った。
後の考えで言えば、型が上手くなることと強くなることは別だと思うけれど、力の運用や体の使い方を知る上で、やはり型は有用だと思う。
型の話は、それはそれでまた長くなるので一旦置くけれど、ともかく、拳法を始めて1年を過ぎた頃、上記のようなことに気づいて、体の使い方が変わった。

そしてあるとき。。

道場で組手をしていたときのことだ。
僕は、一番弟子のT君と同じように半年ほど先輩だった子と組んでいた。
名前は忘れてしまったので、仮にA君としよう。
A君も確か、年齢は1つか2つ下だったと思う。
太極拳の起勢~開太極あたりの用法練習で、突きに合わせて胸を掌で叩き合っていた。
僕は、覚えた感触を確かめるように、バシバシ小気味よく叩いた。
A君は額に汗がにじんで、ちょっと苦しそうな表情を浮かべていたが、生地が厚い柔道着を着ていたし、最初はそんなに効いているとは思っていなかった。
少しして休憩が入ったとき、A君が、自分でも気になったのか、前をはだけると、真っ赤な手形が幾つも付いているような状態になっていた。
それを見て兄弟弟子のK阪さんが、
「うわ。何やアレ。えげつなー」
と、ぼそっと言った。
そこまでやるかー?…と言いたげな感じ。。
K池君もつられて呆気にとられたような顔をしていたのを憶えている。
僕も我ながら驚いた。
A君はその日ずっと辛そうにしていて、その日が最後だったかどうかは憶えていないが、来なくなってしまった。
僕に叩かれた痛みが辛かったことが原因なのかどうかはわからないが、もしそうだとしたら悪いことをしたなぁ…と、しばらく気になっていた。

この頃、練習場所は僕の住まい近くにあった町会の寄合所みたいな会館だった。
当初は先生のご実家が商売をされているところの一郭だったのだが、そこを建て替えることになって、しばらくは外や駐車場のガレージ等で練習していた。
そんなときにたまたま僕が家の近所にあったのを見つけて、先生に紹介したのだった。
先生の住まいと僕が住んでいたところの駅間は4駅程度だったので、先生も他の人たちも大した不便は無かったと思う。
それで先生が、お礼だと言って、早めに来て少し教えてくれたことがある。
僕はその頃、近所の喫茶店でバイトをしていた。
その日、たまたま店の女の子たちが太極拳の話をしていたので、僕がおちゃらけて、
「太極拳に興味あんの?僕もやってるよ。こんなヤツやろ?」
と、手振りをした。
ふと客席の方を見ると、先生が座ってコーヒーを飲んでいた。
いやー、びっくりした。
僕は調理をしていたので、入ってきたときには気づかなかった。
「うーむ。まずいところを見られたかな…」
などと思いつつ、そのあと店を終えて、練習前に先生と近所の神社に行った。
はっきり憶えていないが、何かの初歩的な口伝を一つ教わったような気がする。
そのときに、僕が気づいたことを先生に話すと、
「ほう。やるやん。それはhideくんが自分で気づいた口伝やな」
というようなことを言われた。
(本当にそうだったのかな…?(笑))

ともかくこの頃は、拳法の夢もよく見た。
その夢がヒントになって何かに気づいたりすることもあるほど、どっぷりだった。

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