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太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

悪ガキの頃 - やっぱり金! -

投稿日:2007年2月4日

大阪に来たのは6歳のときで、茨木市に住んでいた。
それまでは、東京に居たり、両親の実家がある佐賀や熊本に預けられたり、京都に居たり、いつ、どれくらいの期間、どこに居たかは、記憶が交錯している。
はっきり憶えているのはこの茨木の頃からだ。

僕は小さい頃から割と社交的な方で、初めての土地でも、おもちゃを持って、
「一緒に遊ぼう?」
と、知らない子に話しかけたりする方だった。
茨木でも同様に、近所の子供たちのところに近づいて行こうとしたのだが、いきなり喧嘩をふっかけられて、数人が向かってきた。
僕は面食らって、泣きながら逃げ出してしまった。
リーダー格の子は縄飛びを振り回しながら追いかけて来て、僕は必死で逃げた。

両親は共働きで、水商売をしていたので、昼間は家に居た。
父親はこの頃には働いていなかったのかも知れない。
泣いて逃げ帰ったのを父親に見られると、
「もういっぺん行って来い!」
と閉め出された。
それでも尻込みしていると、やがて家には入れてくれたが、その夜、公園へ特訓に連れ出された。
憶えているのは、父親の手のひらめがけてパンチを出したり、
「いいというまで離すな」
と鉄棒にぶら下がらせられたり、何度も相撲を取ったり。。
特訓の最中、意地の悪いことを言われながら小突かれたり転かされたりして、何度も泣いた。
父親のことは好きだったが、この特訓は嫌だった。
ただ、特訓のあとは決まって優しかった。
アメとムチだ。
何となく勇気づけられて、明日もう一度行ってくることを約束させられた。

そして次の日。
同じように何人か溜まっているところへ、大きな石を拾って、猛ダッシュで向かって行った。
今度は向こうが面食らって、わっと散った。
僕は、縄飛びを振り回していたヤツにまっしぐら。
石を投げ捨てて、思い切りぶん殴った。

それからは近所のガキ大将になった。
慣れてしまうと、普通に喧嘩しても僕に敵うヤツは居なかった。
田舎育ちということや、親父の特訓のおかげか、足腰も強かったし、親父譲りの正拳と、『柔道一直線』で覚えた見よう見まねの背負い投げが僕の得意技だった。
特に小学校に上がってからは、初日に2人と喧嘩して、以来その2人はずっと僕の子分になった。
1人は学年で一番背が高かったし、そいつをいきなり僕がぶん投げてたこ殴りにしたものだから、同学年では誰も喧嘩を売ってくる者は居なくなった。

しかし、僕の天下も親の離婚で終わりを告げた。

大阪市内にやって来て、2年に上がって転校した学校では、そう簡単に勝ってばかりでは無くなった。
さすが悪名高い土地。。

ただ僕も相当なものだった…のだろうな。
転校早々ちょっかいをかけられ、その日の内に3人くらいと喧嘩。
あっという間に僕の噂は広まって、次の日の朝礼のときには、まだ先生が来なくて運動場でガヤガヤしている間に、走り回っていたヤツが近づいてきたと思ったらいきなり僕の腹にパンチを入れて走り去って行った。
うずくまってしまって、すぐには追いかけていくこともできない。
また走って近づいて来たが、一瞬立ち上がって威嚇するので精一杯。
そのうち回復してきて、それでもまだ痛いフリをしてうずくまったままでいたら、調子に乗ってさらに近づいて来た。
そこを捕まえて思い切りぶん殴ってやった。
それでまた職員室行き。
そのあともたぶん何人かと喧嘩した。
そして、その日だったか、次の日だったか、朝、自分の教室に入ろうとすると先生に呼び止められ、違う教室に連れて行かれた。
厳しい先生のクラスに変わらされたのだった。

ある日、担任の先生が休んでいて自習の時間。
Oというヤツが女の子をからかって逃げ回っていた。
僕が漫画を描いていると、近くを走り回って、僕の机に手を付いて行ったので、描きかけの漫画の線がめちゃくちゃになった。
腹が立ったので、もう一度近くに来たとき足を引っかけてやると、気持ちいいほどのダイビング。
見事な転びっぷりだ。
それを見て大笑いしていると、
「何するんじゃ~!」
と向かってきたので、すかさずぶん殴ると、

パキッ

…と、何やら音がした。
Oの口から血がだーっと流れて、歯が2本落ちた。
Oは泣き叫んで職員室に走っていき、先生がやって来て、僕も職員室行き。。

その夜、Oの親父が家に怒鳴り込んできた。
Oの家は近所の商店街の豆腐屋で、親父さんは両手に包丁を持って、
「お前んとこの息子出せぇ!同じ目に遭わしたらぁ!!」
と、近所中に響き渡る大声でがなり立てた。
さすがに大人には敵わない。
僕は怖くて震えていた。
義父は何とか取り繕ったが、そのあと義父からしこたま殴られた。

数日経って、隣の地区の公園で遊んでいたとき、知らないガキがからかってきた。
近くまで来てつばを吐きかけて逃げたりする。
(なんちゅう土地やねん)
ぶん殴ってやろうと思うが、逃げ足が早い。
何度か捕まえようとしたが逃げられる。
それで、捕まえようとするとき、実際に自分が動けるのよりものろいフリをした。
そして油断してさらに近づいて来たところを捕まえて、ぶん殴った。

パキッ。

嫌な音。覚えのある感触。。

そいつの目が見る見る涙目になり、「いーっ」という顔になって泣き出した瞬間、歯が1本ぽろっと落ちた。
僕は髪の毛が逆立って真っ青になる思いで、慌てて逃げた。
2~3日は、相手の親が怒鳴り込んで来ないかと気が気じゃなかった。
幸い、その喧嘩はバレなかった。。

まーそんな調子で喧嘩三昧。

4年生になって、義父の出身校だという隣の小学校に転校させられたが、また初日から喧嘩。
2日目にはまたまたクラスを変わらされてしまった。

でも、自分からはあまり喧嘩を売る方では無かった。
冒頭にも書いたように社交的な方だったし、友達になろうとする方だったのだが、いかんせん土地柄が悪すぎたに違いない。。(^_^;)

中学になると、2つの小学校の卒業生が1つの中学校に通うので、2年から3年まで居た小学校の連中と再会した。
当然ながらその中にOも居た。
Oは、あの件以来、何度か僕に向かってきたのだが、僕が勝ったり、Oが負けたり。
(要は僕の全勝か…)
そんなことも記憶の彼方。。

「おう、久しぶり!」

笑ったOの、金歯がきらりと2本、光って見えた。

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