中国拳法、武術、格闘技など、徒然気ままに…

太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

電波系な人たち

投稿日:2009年3月1日

今の武術を始めて2年を過ぎた頃、古武術をやっているという青年に出会った。
当時、僕が20~21歳で、彼は僕の1~2歳下だったと思う。
何せずいぶん前で、友人の知り合いということで2~3回会った程度なのでよく憶えていないのだが、記憶の中にある彼のイメージは、藤子不二雄Aの『魔太郎がくる』。。(^^;
いきなり変な漫画のキャラに例えて悪いのだけど、まー正直、およそ武道やスポーツとは縁遠そうな、大人しいタイプの子だった。。
そのマタローくんと、何故か武術の話になって、夜の公園で実技を交えながら話をしたことがあった。

僕は、今でもそうだが、好奇心旺盛で、例えあまり期待していなくても、とりあえず話を聞いてみたいと思う方だ。
この世界、自分が学んでいる武術や流派への愛着などから、先入観や固定観念で他者への否定的な見方が先立ち、ちょっと自分がやっていることと違えば聞く耳さえ持たない人も多い。
しかし僕はそれより、違えばこそ、聞いた方がいいと思うのだ。
やっていることが自分と近い人の言だけ受け容れて頷き合っているより、知らないことがあれば知ってみたいではないか。
聞いてみることで何か1つでも得られればラッキーだ。
自分の中での取捨選択は自由だし、それは聞いてみた後でも構わないだろう。

…とまーそんなワケで、、
マタローくんは1年程度のキャリアのようだったが、僕は興味を持った。
僕だってまだ浅かったし。。

彼がやっているのは、“骨法”に似た武術とのことだった。
ただそれが、当時、プロレスラーなどが取り入れて有名になっていた堀辺正史氏の“骨法”だったかどうかはわからない。
記憶では「骨」が付く何文字かの名称だった気がする。
それを彼が、
「骨法に近い」
と説明していたように思う。
また同時に、自分の流派が、漫画『男大空』(原作:雁屋哲/作画:池上遼一)に登場した“神骨拳法”のモデルになったなんて話もしていた。
そういう話は堀辺正史氏の骨法にもあったので、もしかしたら骨法だったのかも…。
でもこの頃、関西にも骨法の道場あったかな…?
どうも記憶に自信がない。

ちなみに。
堀辺正史氏の骨法については、当時の僕は本屋で立ち読みしたことがある程度だったので、あまり詳しくは知らない。
当時はよく見もせずに少林寺拳法に似ていると思う程度の認識で、あまり好きになれなかった。
調べてみると、堀辺氏は大東流合気柔術の故・佐川幸義氏の弟子であったそうで、合気道関連の著書を何冊か出している吉丸慶雪氏とも兄弟弟子で、一緒に流派を立ち上げたこともあったらしい。
ついでに言えば、その吉丸慶雪氏は、佐藤金兵衛先生に師事していたこともあったようだ。

で、マタローくん。。
自分の流派にかなり傾倒していて、手前味噌に自画自賛。
ただ残念なことに、キャリアが浅くて、あまりカタチにもなっていなかった。
手ほどきや逆手のかけ方など基本的な技を幾つか説明して見せてくれたが、柔術をあまり練習していなかったその頃でも、僕の方がまだマシだったろう。。
しかし彼は上機嫌で、
「これは無闇に人に見せるなって師匠に言われてるんだけど…まぁhideさんにはちょっとだけみせてあげるよ」
と言って、一つの型を見せてくれた。
中国武術で言うところの套路のようなものではなく、形意拳の五行拳や十二形拳のように、一手を型にした感じのもので、実際、動作的には形意拳にも似ていた。

記憶の限りで再現すると、こんなだ。

両腕を胸の前でクロスさせて、上から横に大きく回し、両拳を腰に構える。
そこから、大きく一歩踏み出しながら、右拳は陰(掌の側が下向き)で、その右手首を左手で上から掴み、支えるようにして三角形を作り、一気に突き出す。
拳は握ったまま、小指側の部位で当てる感じだ。
足は順歩だったと思うが、大きく出るため、当然、後ろ足が後から付いて来るかたちになり、形意拳の跟歩のような歩法になる。
しいて言えば形意拳のタイ形に似ている。
(※タイ形の「タイ」の字は「鳥台」と1文字で書く)

…ただ。。
やはり体の使い方がぎこちなく、へっぴり腰で、ちょっと滑稽だった。
マタローくんは、
「今のが神骨拳法の元になった技の一つなんですよ」
と言って、得意そうに笑った。
(う~ん。何だかなぁ…)
とは思ったが、まぁ、個人的な力量はさておいて、何か教えてもらって、それはそれで参考になればという思いもある。
お礼に僕は、太極拳の十四勢、心眼流の1本目、金鷹拳の型を2つほど見せた(…と思う)。
すると彼は、
「特別にもう一つ、使いでのある技を教えてあげますよ」
と対抗するような目つき。
指示されて僕が構えて対峙すると、半身でボクシングのように構えたところから前方の手を伸ばし、開掌のまま僕の目の前でゆらゆらさせ始めた。
何をするのかと思っていたら、突然、
バタバタッ!
…と、急激にバタつかせて、その手をそのまま拳にして突き出して来た。
僕はするに委せていたので、彼は拳を寸止めして、また得意そうに笑った。
「驚いたでしょ?」
要するに目くらましの一種。
相撲の猫騙しと同じと言えなくもない。
こういうのは子供の頃の喧嘩で使うヤツも居たし、僕的には経験があり、意外ではない範疇だ。
また、古武術では、相手の視界をさえぎったりして技をかけることを、
「霞をかける」
と言うそうだが、中国武術にもそういった使い方はあるし、金鷹拳の受けもその意味を含んでいる。
手のひらバタバタは面白いが、そう得意そうにするほどか…?
しかしマタローくんは止まらない。
「実はコレ、僕の師匠の得意技の一つで、師匠が暴力団Y組の組長に手ほどきを頼まれたことがあって、そのときこの技を教えたんですよ」
と、得意満面。
「へー、すごいね!」
そのあと僕は、軽くイラッときて、まー友好的に、お礼のつもりもあってだけど、何かちょっと痛いようなことを彼にした気がする。
何をしたのかよく憶えていないが、まぁ、逆手をかけたか、寸勁だと嘘をついて触れたところから突いたか…だと思うけれど。。(^^;(笑)

マタローくんのことは、その後も笑い話のように人に何度か語った。
でもまぁ、彼だって当時はまだ10代だ。
後に色々考えが改まったかも知れないし、続けていれば腕前が上がっているかも知れない。

マタローくんとはそれだけだけど、その後も似たような人とは何度か出会った。
北新地時代に、新地仲間が連れてきたヤツは、自分をマスコミ関係者だと偽って頭の悪い女を騙しまくっていたが、何故か妙に僕になついてきて、中国武術をやっていると嘘をついていた。
このときもついつい好奇心から話を聞いたり動きを見せてもらったりしたのだが、結果は嘘まるだし。
何の格闘技経験も無さそうだったので、それを見透かしてわざと、
「組手やろう!」
と言ったら泣きそうになっていた。
まーこいつの場合は武術修行者ではなかったのだけど、こういうヤツの温床となっている部分があるのもこの世界。。(^_^;)

まぁ…実際にどこかで習ってマジメに励んでいる人はいいけれど、それでも、知識や想像が先行している人は確実に多い。

とにかく、何と言うか、この世界、、結構、アレな人が多い。。
自分が大したこともない内から、誰も知らない特別なことを習っていると信じ、そういう思いだけで優越感を持っていたりする。
そして、“気”や“勁”の概念や、理論的な優位を語って、自分も名人への道を歩んでいる気になっている。
現実的な物の見方から乖離して、今の自分の力量が見えていない。

…と、そう言いながら僕も、本からの知識や先生からの受け売りそのままに、他派や他武道・格闘技を軽んじていた時期はある。
でも反省や自己修正を繰り返しながら歩んできた。

少しでも思い当たる人は、
時には立ち止まってよく考えてみた方がいいだろう。

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