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太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

打撃訣

投稿日:2011年6月20日

予告の“その2”に当たるようなこととして、型や組手に関することを書きかけていたのだけど、書きたいことやあれもこれもが多すぎてうまくまとまらないので、ちょっと気分を変えて、ふと思い出したことを先に、雑談的に書いてみることにした。

このブログのアクセス解析の検索ワードを見ていてよく目につく言葉の一つに『打撃訣』がある。
ここで言う検索ワードとは、このブログに来た人が、googleYahoo!などの検索エンジンでどんな言葉で検索して訪れたかを知るものだ。
打撃訣について気になっている人が多いなら、まぁ、僕もそれをお題にちょっくら書いてみようかということで。。

打撃訣とは、打撃の威力を増すためのコツを伝えるもので、手のかたち(例えば拳の握り方)であったり、打ち方(当て方)であったり、インパクト時の方向であったり、狙う部位であったりする。
攻撃を当てるためのコツも含めてそう呼ぶかどうかは知らないが、たぶん、それは流派や指導者によるのだろう。

まぁこれだけではわかりにくいだろうから、想像の糧となるように、書いてもいいような簡単な例を挙げることにしよう。

例えば、拳の握りについては、空手に“中高一本拳”という握り方がある。
正拳の握りから中指だけを少し突出させた握り方で、打撃が一点に集中するため貫通性が高くなる。
誰かと軽く試してみると判るが、体の中に「うっ…!」と来る感触になるのが判るはずだ。
試し方は、0~数センチ程度の距離から胸にでも向けて軽くやってみるだけでいい。
ただ、この握り方で正拳突きのような突き方をすると、よほど鍛えていないと自分が指を痛めてしまう可能性も高いので、使い方は考えなければいけない。
痛めないための握り方のコツもあるのだが、それで大丈夫とも言えない。
また、この握り方は、入門書なんかにも割とフツーに紹介されているのだが「こんな握り方もある」程度の絵か写真による紹介だけだ。
細かいかたちや握り方のコツなどは、これもやはり流派や指導者によって違うかも知れない。
拳以外で言えば、このブログで松田隆智さんのことを書いていた中で、昔、松田さんの太極拳の本にあった“小天星”に触れたことがある。
その記事で、それが何かという説明は書かなかったが、これは今の流派に入門して半年かそこらの頃に教えてもらった。
要は掌攻撃する際に使う掌の部位のことだが、松田さんの言う小天星と同じかどうかは知らない。
あと、それ以外の手形についても、当然、それぞれ、攻撃のための意味はあるのだが、咄嗟の時に使い分けられるのかと言えば、それは普段から得意としているものでなければ難しいだろう。

打ち方や方向については、型の中にも示唆するようには含まれているのだが(武術的な意味をちゃんと含んだ型であれば)、それを具体的に教えてもらうかどうか…というあたりかな。。
部位は、単純に言えば急所。
あと、例えばさっきの中高一本拳のような握り(手形)なら、どういうところをどんな風に攻撃すれば効果的かということであったり…。。

これでかなり具体的に想像できるのではないだろうか?

ところで、もう5~6年以上前になると思うが、ネットで色々見て回っていたとき、ある武術研究家さんのHPを見つけた。
中国拳法を色々学んだようなことが書かれてあり、正宗太極拳(九十九式)も学んだそうだったが、どうやら古武術の方が中心のようだったり、ちょっとわかりにくい。。
しかしとにかく色々学んで、中国拳法や空手も加味して、ご自身の流派も立ち上げてらっしゃるとのことだった。
ちょっと興味を持って、過去の記事などを読み始めた。

で、文章としては面白い記事もあったし、内容が芸能人や映画の話になるとちょっとミーハーでオタクっぽいところも感じてしまったが、田舎が同じということもあって、最初は割と親しみを持って読んでいた。

そしてそのうち、こんな記事に行き当たった。
その人が出した発勁についてのビデオ(VHS)があって、その中で打撃訣を説明している箇所があり、それを松田隆智さんに見せたら、
「あれは危険な打撃訣だから、簡単に公開しない方がいい」
みたいなことを言われた、という話だった。

怪我したことをきっかけに長らくブランクがあった僕としては、
「へー。そんなビデオを出しているのか。時代は変わったもんだ?」
と思って、そのビデオが中古で手に入らないか調べてみた。
すると、ヤフーオークションですぐ見つかったので、その人が興した流派のビデオと合わせて2巻買った。

まず“発勁ビデオ”の方だが、再生してみると、ただの練習風景。
どこかのビルの貸し教室みたいなところ(?)で何人かを相手に指導しているのだが、来ているのは初心者ばかり。
撮影しているのも素人らしく、照明機材も無いのか、画面が暗くて見づらい。
音もかなり聴きづらい状態だった。
それを我慢して見続けていると、たぶん30分も無かったと思うが、突然プツッと切れて、終わり。
オークションで売ってくれた人の注釈として、
「ビデオは内容が途中で終わっているように見えますが、それは初めからこういうものでしたので、ご了承下さい」
というようなメモが入っていたので、その通りであれば、これで全部なのだろうけれど、一体どこに発勁や打撃訣の説明があるというのだ?。。
((仕方がない。もう一度観てみよう…))
と、改めて再生。。

結果として、
それらしいのは、途中で何かの説明で一人の胸に拳を当てて、そこから軽く打っているシーンがあっただけ。
発勁の説明のようなところはまったく無かった。
発勁のナンタラとかいうタイトルを銘打っておきながら発勁の説明は皆無で、全編指導風景とは、ドユコト!?
で、その打ち方だが、形意拳の馬形のようなやり方で、
「ほら、これ、痛いだろ?」
という感じで軽く打っているだけだ。
一応、知らない人のために簡単に説明しておくと、馬形の打ち方は、見た目の感じとしては、相手の胸部を近距離から、バイクのアクセルを回すような感じで拳を拳頭から第二関節にかけてグリッと回すような感じで当てる。
型としては、太極拳の双按を拳で行う打撃技だ。
他派の型だとかたちや当て方が異なるものもあるようだが、ウチではそんな感じで、この人がやっていたのも同じような当て方だった。
…まぁ、特殊な打ち方という意味では打撃訣と言えなくもないのだろうが、それを初心者に片手でくいっと軽く当てて見せているだけなのに、打撃訣の説明も何もあったもんじゃないだろう。。
「う~~~~~ん…」
と、頭を抱えてしまうしかなかった。。

そして次に、その人が興した“○○流ビデオ”だが、確か最初に棒を振り回しているシーンがあって、そのあと弟子たちと型の用法説明を延々と見せている。
これも初心者丸出しの人たちばかりで、最初に一人でやった単体の型の使い方を、今度は二人で、ゆっくり突いてくる突きに対して、やってみせる。
しかもご丁寧に、それをまたスローモーションで見せている。
その繰り返しだ。
まぁ、延々と言っても、このビデオも30分程度だったと思うが…。
最後は、
松田隆智さんを始め、武術雑誌に出てくるような人の名前や団体名が、協力だか協賛だとかで、ズラズラーッとテロップで流れる。
本編の内容がお粗末すぎて、さすがに、そういう人脈をすごいと思うよりも、本当にちゃんと話を通して名前を出しているんだろうか?…という気になる。

その後、その人のHPは、移転したりブログに変わったりして、それでもたまに見に行っていたが、書いていることも脱線が多くて、間もなく行かなくなった。

ネット上では悪評が多いようで色々と悪口を書かれているが、その後も著作物を出しているようだし、お弟子さんも居るようなので、職業武術家・研究家として、頑張って続けてらっしゃるのだろう。

んでまぁ…、ネットでは誰だって悪口は書かれたりするので、一方的に悪く言うつもりは無いのだけど、さすがに前述のビデオは酷かった。
当時は今より小遣いに余裕があったので、あっさり買ってみたが、これほど損した気分になった買い物もめずらしかった。

後半、打撃訣からちょっと遠のいて愚痴話のようになってしまったけど、一応は具体的なことも書いたので、ご容赦を。。

あ、そうそう。

当て方という意味では、中高一本拳も形意拳の馬形も、近距離からの打撃に向いた打ち方という意味では、似ていると言えそうだ。
件の研究家さん、まさかそれを発勁のコツと言いたかったわけでもないだろうが…。。

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