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太極拳ってど〜よ!?

徒然エッセイ

武術としての型

投稿日:2012年7月25日

前項で空手の“ピンアン(平安)”について触れたので、ちょっと思いついた。
ちなみにピンアンは(前項で書き忘れていたが)、平安初段~平安五段まで五つの型がある。
僕が中学生の時に空手の道場に通っていたことは前に書いたが、その流派の場合は、まず基本の二つの型があって、その後にピンアンに入って、初段(黒帯)を取るまでに平安五段までを習う。
その後は“抜塞(バッサイ)”で、僕はその辺までしか習っていない。

今日は“ナイファンチ”(松濤館系では“鉄騎”)について書いてみる。
ナイファンチは最も代表的な型で、ナイファンチ初段~ナイファンチ三段まで三つあるが、初段だけで充分と言われている。
簡素ながら空手の重要な技が集約されている型だ。
見た目はピンアンの方がバラエティに富んでいるので、ピンアンを好み重視する人も居るのだが、また、ピンアンの武術的価値を説く人も居るのだけれど、それよりやはり、空手と言えばナイファンチだろう。

ただ、残念なことに、空手を習っていた時代、僕はナイファンチを修得していない。
僕が習っていた流派での修得順は前述のようになっていたので、その後に習うのかどうかさえ、判らない。
(あるはずだとは思うが…)
だからナイファンチの価値に気づいたのは、ずっと後になって、空手をまた少し、参考がてら研究するようになってからだ。

で、数年前、以下のような動画を見つけた。
松林流の新里勝彦さんという人のナイファンチで、腰を利かせているのが特徴だ。
まずは見てもらいたい。

◆動画リンク

大変興味深く、参考になる。

腰の利かせ方は、いわゆる“ガマク”というものだと思う。
個人的には、ちょっとやり過ぎ感があって、それが気になる。
また、対人想定で解説しているところは、腕の伸び加減や利かせるタイミングなどが、
「おやっ?」
と思ってしまうところもある。
でも現実に当てる距離では説明しにくいから、こうなっているのかも知れない。。

そして、これを踏まえて、次を見て欲しい。

<<※Youtube動画が閲覧できなくなっていたためリンクコードを削除>>

演武者は松濤館の金澤弘和さんだ。
金澤さんと言えば、僕が若い頃にはすでに本を出していて、書店の武道コーナーで空手入門書を手に取れば、必ずと言っていいほどこの人の姿を見ることができた。
そして、あまりにも基本通りの、基本として見ればあまりにも決まり過ぎている、教科書のような姿勢が印象的だったものだ。
そしてその後は世界的にも有名な空手家の一人だ。
…しかし。。
この動画の演武はどうだろうか。。
いや、上手い。
幾ら若い頃とは言え、少なくとも松濤館的に言えば、しっかりと基礎が出来た姿勢、そして動き、だろう。
けれど型として見た場合、先ほどの型と比べれば、何か足りないものを感じないだろうか…?
それは一つ一つの動作の鋭さなのだ。
先の新里さんの場合、腰を利かせることによって瞬間的な動きに鋭さが出ている。
しかし、金澤さんの場合は、それが無い。
力強さを表現するのに、実際に力を込めて腕を振るったり、やや予備動作を利かせているのが散見される。

中国武術の世界で言えば、古流(古伝)の武術と表演武術の違いも、例えばこんなところになってくるわけだ。

僕が金澤さんの型を批評するなんておこがましいのだが、まぁ、少なくともこの演武のときの金澤さんよりは、僕はずっと歳をとってしまっているので、少しくらい言ってもいいだろう…。。(^_^;)
まぁ、公に出れば、賛否は必ず両方あるということで。。

ただ、これが、もっと下手な人だと、目も当てられないナイファンチになる。
興味ある人は色々見比べてみるといい。

ついでで一つ出すが、例えば次の、大人数の演武でやっているナイファンチ。
まるで極真のような演武の仕方。。
一斉稽古の弊害…とまで言っては言い過ぎ…かな?

<<※Youtube動画が閲覧できなくなっていたためリンクコードを削除>>

まー、あまり言わないでおこう。

見た人に各自判断してもらおうということで。。
あくまでも参考までに。。

※一部の文章を変更・削除しました。
※動画のリンクコードは、動画リンクの紹介のみに変更しました。
(2017/12/03)
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